札内川の自然
清流日本一になった全国きっての渓流釣りの川
中札内村を流れる札内川は、日高山脈の札内岳周辺に源をなし、札内川ダムをへて東に流れる十勝川水系の一級河川です。河川名の語源は、アイヌ語の「サツ・ナイ」(乾いた・川)。アイヌ語が示すとおり、盛夏と冬、南札内の扇状地周辺では、川床が砂礫のために地下に水が浸透し川が消えることがあります。
河畔林の間を蛇行しながら瀬や淵を形成している景観はまさに北国の川そのもの。全国およびアジア諸外国からも多くの釣りファンが訪れる国内きっての有名河川です。上流域は日高山脈襟裳国定公園に指定されています。
平成3年から17年までの計8回、一級河川の平均水質ランキングにおいて清流日本一になった札内川の水は、ピョウタンの滝から取り込んだ表流水と、札内川頭取工から取り込んだ水により、十勝管区の1市4町2村に水道用水として供給されています。また、上水だけでなく、村内の農地の約8割が防除や散水のためのかんがい用水として、札内川の水を利用しています。
札内川の魚と釣り
流域には、ハナカジカやスナヤツメ、オショロコマ、ヤマメ(ヤマベ)のほか、ニジマスが生息しています。中でも札内川のニジマス釣りは知名度がたかく、エサ釣り、テンカラ釣り、ルアーフィッシング、フライフィッシングなど、さまざまな釣りを楽しむことができます。
札内川に生息する魚たち
札内川流域の動植物について
河畔には、ドロノキや、国内でも稀少なケショウヤナギの群落などがあり、アオジ、イソシギ、セグロセキレイ、ハイタカやオオタカ、クマゲラやショウドウツバメなどの鳥類が確認されているなど、多様な動植物が生息・生育しています。ダム周辺には、アカトドマツ、アカエゾマツ、シナノキなどからなる針広混交林が広がり、エゾシカやエゾユキウサギなどのほ乳類も生息しています。また、流域全域がヒグマの生息域です。